飯豊連峰 門内小屋 小屋番日記(平成20年7月19日〜7月21日)  

また、この時期が来ました。本格的な夏山シーズンの始まり。
今年も、恙無く管理期間を過ごせますよ〜に。パン、パン(拍手)
と、いうこで7月11日からNENが管理人として入り、その後は私達数名でNENのサポートで交代要員としてスポットで入山する。

帰りは丸森尾根下山 朝鮮半島の低気圧 ヤマではハッキリしない 滝見場から石転ビ 池塘と杁差岳
緑化ネットの間から 効果がでてきた 次の年はどうなる? 反対に崩落は広がる 門内小屋で、HZUさん
鳥原小屋の管理もする いちごちゃん koizumiさん めおと&konchang EVA父さん
荒ぶるポーズ 管理棟前で 稜線の花 イイデリンドウ 風が強く撮り難かった

天気図・気象衛星写真 出所 気象庁のHP

期   間    平成20年7月19日〜同21日
気象状況    天候 19日 曇り時々晴れ
              20日 曇り時々晴れ
              21日 曇りのち晴れ

          気温 19日 20.8℃〜28.9℃
              20日 20.1℃〜28.3℃
              21日 21.9℃〜32.0℃

風速風向        19日 NNW 4
              20日 N   2
              21日 S   2    最大風速、風向
データは山形県小国町

現地(門内小屋周辺)
門内小屋周辺の気温は毎日14℃前後〜16℃前後
終日、曇り(ガス)模様の天気で雨は霧雨程度。
風はSWベースで5〜7m位が通常の感じ。

7月19日(土)
コースタイム
01:20 自宅発 コンビニで買い物  今日はどこもガスっている
02:40 天狗平着(420M)
03:20 天狗平発(420M)
04:10 楢の木曲がり(720M) 荷物が重く感じ、発汗量が非常に多い。鳥が賑やかだ。
05:06 湯沢峰着(1,020M) 食事
05:18 湯沢峰発
05:56 滝見場(1,145M) 汗で全身ぐっちょり
06:10 滝見場発
06:54 五郎清水(1,370M) 水汲み、食事、無線NEN出ない。女性2名にパスされる。
07:44 三本樺(1,540M) 給水、暑くなってきた。
08:18 梶川峰着(1,700M) 食事
09:17 扇ノ地紙(1,869M)  植生回復実証実験地、崩壊地を観察
09:47 門内小屋着(1,865M) 

7月21日(月)
12:58 門内小屋発(1,865M) 
13:55 地神北峰(1,790M) 新発田山岳会の方と会う 地神〜北峰の間花がある。
14:18 丸森峰(1,540M) 水汲み、食事
14:55 夫婦清水(1,030M) 水量少ない 暑くて辛い。
15:50 丸森登山口着(415M)
16:30 梅花皮荘発 梅花皮荘で汗を流して帰途に着く
17:45 自宅着


7月19日(土曜日)
カミさんがまだTVを観てゲラゲラ笑っている時間に起きて出かける。途中でコンビニで行動食を購入して天狗平に向かう。
小屋で使う、長靴が切れてしまったので長靴、無線が調子悪いので換えのケーブルをLTKに作ってもらい準備した。
アンテナの固定アングルも付け替えるのザックに。
合羽も持ち上げる・・・・何だかんだでザックは25キロ。夜が明けてから登ったのでは暑くて仕方ないので早立ちする。
おまけに、最近、岩登りやら沢で軽量化した行動が多いので、正直、担荷力、スタミナに不安がある。
そういう意味では、良いトレーニングか?
市街地を出るとガスが濃い。月もボンヤリしている。天狗平に着くと、既に車があり、仮眠中の感じだ。迷惑にならないように準備をして出かける。
久々の重いザックに身体が驚く。梶川尾根の急登に取りかかる。ノンビリ行こう。前半でバテたらどうにもならないので、とにかく五郎清水までは、身体と相談しながらユックリ行こうと自分に優しい方針。
楢ノ木曲がりでは、既に大汗をかいている。4時30分頃、にはヘッデンは要らない。湯沢峰で食事を取る。
滝見場で石転ビ沢、梅花皮大滝を眺める。今年の石転ビ沢は下部の雪が多く残っている。
NENを呼んでみるが応答ナシ。ノンビリと歩を進め五郎清水。握り飯を頬張り水をガブ呑み。清水で水の補給に行く時、下から女性の単独者が登ってきた。3時間で来たとのこと。頑張りますね。と声を掛けると、水場はここですか?
と聞いてきたので一緒に水を汲み行く。戻ると、女性の単独者が休憩中。この方は直ぐに登りを再開。一緒に水を汲みに行った女性と門内まで何となく話しながら行動を共にする。
上から単独者が降りてくる。NENと小屋管理をしている、下村さんだ。初めてお会いするので少し話す。
植生回復の実証試験地付近はザックを下ろして注意深く眺める。想像以上に芽吹きがあり嬉しい思いだ。その反面、崩壊地ではザレ場、ガレ場が拡大しガリー侵食も顕在化している。早々の対応が必要だろう。
単独の女性と話しながら、門内小屋着。

早速、汗だらけの衣服を換える。到着後、まず、LTKに作ってもらったケーブルを交換して御西の松葉さんとテスト通信する。
その後アンテナのアングルを付け換えとりあえず、重要作業は問題なく終了。外で作業をしていると冷たい風で身体が冷える。
LTKと交信。良好な電波状態とのこと。先ずは一つクリア。

冷たい飲物で一息ついたら、ハタノしゃんが緑化ネットを3.6kg×2個担ぎ上げてきた。お疲れ様です。12時にNEN下山。

今年は空梅雨で天水タンクに水が殆どなく、生活用水に苦労する。毎日水場からポリタンクで汲み上げるがポリタンク内の水が振れるので歩き難いことこの上ない。

13:40分頃HZUさん門内着。小休止してもらい様々な情報交換やら四方山話。アミューズさんのガイドで鈴木さん来てますよ。と話すと、一声掛けてから下山するとのことで小屋を離れていかれた。

夕方から、ドンドン人が入りだして、小さい門内小屋に43人?程入った。鈴木さんがコントロールしてくれたので何とか収まった。
kagayaさん、カメラやら三脚やら、テント泊装備、その上緑化ネット1.7`×2個・・・ザック30`は超えそうだ。

夕方、ドタバタした後、鈴木さんと呑んで、海外高所登山の話しを興味深くお聞きして、21時30分就寝。



7月20日(日)
4時45分起床
5時前から出発していく始発パーティーが出て行くところだった。ガスで視界不良。視程100m以下気温13℃。
昨夕、管理棟でマグカップを借りた女性が返却しないまま、出発したようだ。故意かどうかは知らないが、故意であれば問題外。故意でなくても自覚に欠ける。こういう人がいると親切にしてあげることができなくなる。チッポケな事だが朝から気分が悪い。
逆に、チッポケな良い事で気分が良くなることもある。

06:15分いちごちゃん、門内着。午前0時大石発。6時15分門内着。良いペースだねぇ。と話し、いちごちゃんからプラムの差し入れを戴く。そうこうしているうちに、いちごちゃんから一時間遅れのはずの、相棒○○っちが「大日いぐど〜」と雄叫んですっ飛んでいった。凄い体力です。

黒崎山の会の方が通過。koizumiさんが梅花皮までネットの荷揚げで通過。お疲れ様です。冬期入口の件で業者の方が現場の実寸を取りに来られた。9月〜10月初めに施工するとのこと。(冬期入口が小屋の西面に設置され冬期には使いものにならない。
この冬には改善された姿になるのだろう。

午前11時少し前、めおと&konchangが到着。誰かが登山道で『ヒ〜』と言っている。EVA父さんがネットの荷揚げで到着。皆でしばし休息。ここまで来れば、辛い登りはそうはないね。ただ、鉾立はねぇ・・・行けば大したことないけれど、下から見上げると悲しいね。そのあとは、杁差を踏んで下るのみ。
Mちゃんはあそこの下り、私転ぶから気を付けて行こう。とのこと。3人で荒ぶって縦走路を駆けていった。Mちゃん漬物ありがとございました。
11時50分頃EVA父さんも下山開始。入れ替わりで豊栄山岳会の外山さん、佐藤(ト)さん石転ビ登りの下山路で立ち寄られた。
その後、当会のLOM(渋谷さん)、諏方さんが到着。諏方さんも色々と持ち上げてくれました。感謝です。
少しあとに桃パパさん到着。桃パパさんから、長ネギ他を戴いた。ネギがあるとインスタント物が美味しく食べることができる。ありがとうございました。
koizumiさんが梅花皮から戻って来られた。しばし皆さんで四方山話に花が咲く。その後各々下山されて行く。

旧黒川の今井(長)さんが頼母木小屋からこられた。編み笠に長靴、腰に鉈。数日前まで風邪の具合が悪く体調は良くない。とのこと。扇ノ地紙から梶川下山の方と途中まで一緒だからと頼母木へ戻っていった。

この日の宿泊20名、テント11名
夕方から、霧雨となり寒い位なのでビールの売れ行きは宜しくない。霧雨とはいえ、ミストの粒子が細かいというか、外で立っているだけで、ビッショリになるという程ではないので、天水タンクには寄与しない程度のもの。
定時交信後20:30分さっさと就寝。



7月21日(月)
夜半より雨音が聞こえる。風もやや吹いている。気温は少し高めか?01時過ぎから、ウトウトしては物音で眼を覚ます。この繰りかえしで、いい加減嫌になり03時過ぎに起き出した。天気も悪いし、特にする事も無いので、売上げの確認やらNENとの引継ぎに必要な事柄の準備を進めておく。
外は濃霧でやはり気温は高い。正直まだ降りたくない。無線という自分の都合よい通信手段だけであとは娑婆から隔絶されているので、気が楽なのだ。携帯電話の普及は、遭難救助の観点からは望ましいが、ヤマの中まで電話で娑婆の用事が突っ込んできたら興ざめだなぁとも思う。
NENは04時頃から登り始めるので、10時頃の到着か?

お天気も悪いし、今日は下山のみという方が多いので割合、利用者の皆さん出発は遅め。ただガスが濃いので視程50m内外。そのせいかどうか判らないが、小屋前からテン場、水場(雪渓の融雪水)の方が登山道と勘違いして下る方が数パーティーあった。
どうして、門内小屋前の登山道から90度東に方角を間違えるのか?
キツイ言い方かもしれないが、地図を全く見ていない事に尽きる。扇ノ地紙まで極端に東には進路は振れないのは明らかであるし、何しろ小屋前なのだから現在位置に疑念は全く無いのだから・・・・とは思うのだが。

NENが到着する。汗ビッショリだ。まもなく、せいださんが緑化ネットを担ぎ上げてきた。暫く3人で話し、せいださんは梶川尾根を下山していった。少しすると下村さんが上がってきた。NENに引継ぎ13時少し前に下山開始。
扇ノ地紙で急に気が変わり丸森尾根下山とする。相変わらず南西風が吹いているしガスがとれない。扇ノ地紙〜地神山はガスに覆われ退屈な歩き。笹ばかりで花もない。

地神山〜地神北峰の間は花があるので楽しい。あった〜今年お初のイイデリンドウ。風も強くガスが濃いので花も寒そうだ。
花を楽しみながら地神北峰。新発田山岳会の方にお会いし挨拶し先行していく。

ガレた登山道に足を取られながらスタスタ下るが1,500m位から急速に暑さを感じる。気がついたらガスもなくカンカン照りだ。暑いわけだ。夫婦清水の様子を見にいくが、水量も少ない。今後はアテにできないかもしれない。

暑さで少しボ〜っとしてきた。飯豊山荘、天狗平ロッジの屋根が足元に見える。急な登山道を下り登山口に出た。
駐車場に着くと、せいださんが帰宅準備をしていた。
身体を冷やしたいので、梅花皮荘の方がシャワーが沢山あるので、早々に車に乗り込み梅花皮荘でシャワーを浴び帰途についた。

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